【Mリーグ】渋谷ABEMASインタビュー「我々のチームが一番伸びしろがあると思っています。3年後、5年後、見ててください。そのときに、今日の涙があったから、今があるんだよって言います」
2021年5月18日にファイナルシリーズを終えたMリーグ。RMUの多井隆晴(@takaharu_ooi)、日本プロ麻雀連盟の白鳥翔(@s_Shochan0827)、日本プロ麻雀協会の松本吉弘(@yoshihiro_npm)、最高位戦日本プロ麻雀協会の日向藍子(@hinaai0924)の4名のチーム「渋谷ABEMAS(@shibuya_Abemas)」の結果は3位入賞。ファイナル開始時はトータルポイント1位。さらに2位のサクラナイツとは200ポイント以上の差をつけ、一気に抜け出し優勝目前かと思われたが、風林火山の猛追により、今年も優勝は叶わなかった。
ファイナルが行われたその日、全チームに取材が行われた。
感染予防のため、取材中は選手、取材陣ともにマスク必着。写真撮影時のみ、選手はマスクを外している。
渋谷ABEMASインタビュー
──今シーズンの振り返りをお願いします
松本「昨シーズン僕はすごい大敗をして、3人におんぶにだっこの状態だったので、今シーズンは絶対自分がチームを助けるんだという思いで挑んだシーズンでした。セミファイナルまで好調で、あとはファイナル一つ勝てばいいというところで、僕がファイナルでこけてしまいました。最後、チーム全員の総意だったとはいえ、多井さんに連投してもらって、プレッシャーをのせてしまったこと、藤田監督に『松本行け』って言わせられなかった自分の不甲斐なさがとても悔しいです。また4か月空きますが、このチームは本当に強いチームで、優勝できるチームだと思っています。個人の目標ですが、いつかこの最終戦を任せられたり、困ったときに『松本行け』って言ってもらえるような選手になって、また来年、再来年とチームに貢献したいと思います。個人的には、役満和了については、Mリーグのスローガン『熱狂を外へ』ということにおいて、麻雀を知らない方でも『凄いな』って手っ取り早くわかる、最大のアイテムだと思います。藤田監督にも『目立っててよかった』と言っていただけて、役満アガって、強いとか、勢いがあるとか、話題の提供につながったことは嬉しかったです。その分最後に勝てなかったことが本当に悔しいですが、切り替えて、力合わせていきたいと思います」
白鳥「最後の2日間、多井さんの連投が、チームの優勝に近いとみんな思っていたんですけど、1プレイヤーとして、そういう感情じゃダメだなと改めて気付かされました。多井さんは自分が越えていかなきゃいけない存在でもあるし、そういうときに自分が自分で胸を張って『いきます』って言えるくらいの力をつけられたらと思います。何より僕は、多井隆晴が日本で一番麻雀が強いと思っているので、その人でもこの2日間は、尋常じゃないくらいプレッシャーがかかっている様子を、控室で間近に見られたのはいい機会でした。その背中を見てまた強くなれるんじゃないかなと、しっかり成長していきたいと思いました。個人としては、昨季、今季レギュラーシーズン3桁プラスできたんですけど、セミファイナル、ファイナルと自分の不甲斐ない成績で優勝できなかったと思っています。レギュラー、セミファイナル、ファイナルと、全てのシーンでいい成績を残していきたいです」
日向「本当に優勝したいという気持ちが強かったです。なので多井さんが連投することに何の意義もなく、一番それが勝ちに近いし、ベストな判断だと思っていました。多井さんは弱音を全く吐かない人なんです。『多井さん勝てそう?』って聞くと『おう、やってくるわ』って言ってくれていたんですが、今日終わった後に初めて多井さんの涙を見て、私たちが頼ってばっかりだった、頼りすぎている気持ちがあったんだなってすごく感じています。もっともっと強くならなくちゃと思いました」
多井「麻雀プロ続けて長いんですけど、結構自分は運がいいと思っています。麻雀の勉強や研究を一生懸命やれば、誰かが僕を見つけてくれるだろうと信じてやってきました。麻雀の勉強ってやっても明日強くなるわけじゃないくて、5年後10年後見据えて勉強しなきゃいけないので結構不毛で辛いものが多いんですけど、それでも藤田晋さんに見つけてもらって、ABEMAの麻雀チャンネルに出していただいて今があるんで、僕はツイてるんだなと思います。人にも、麻雀の運にも恵まれて、幸せな麻雀プロ人生だと思うんです。でもこのMリーグだけはどうしても、3年目にしてまた優勝を逃して、どうしたら優勝できるのかなというのがまだわかってなくて、麻雀って深いな、面白いなって今思っています。今日思いっきり落ち込んで思いっきり泣いて、明日になったら元気になろうと思って、目いっぱい発散しようと思っています。こうして仲間の声を聞いて、藤田さんからは『これでよかったんじゃない?最強位もとって、Mリーグも優勝したらやることなくなって、やめることになっちゃうでしょう。来年以降もABEMASで麻雀打ってください』と言われて、そうだな、と思いました。正直、多井節を今から言いますけど、白鳥、松本、日向は、まだ足りない部分があると思っていて、全員が僕ぐらい強くなったら、どんな不運も跳ね返せるくらいABEMASは強くなると思っています。先ほど表彰式でも言いましたが、我々のチームが一番伸びしろがあると思っています。3年後、5年後、見ててください。そのときに、今日の涙があったから、今があるんだよって言います」
──藤田監督から一言お願いします
藤田監督「最後多井さんに全部背負わせてしまいました。楽屋に戻ってきて、嗚咽に近いような泣き方をしていて、かける言葉が無かったです。でも、麻雀の勉強っていうのはいつ役に立つかわからないんで、相当なモチベーションが無いと続けれられないんですけど、これで悔しい思いをして、多井さんにモチベーションができたことが、よかったなと思います。3年連続3位なので、来季は優勝したいですね」
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